ラグビーのラインアウトルール|反則別解説

ラグビーのルールで「やってはいけないこと」というのは極めて多く、ラインアウトの中だけでも数えきれないほどの反則が存在します。

従いまして、このページではラインアウトの反則について種類別に解説していきます。

ラインアウトの反則について、ざっくり分かるだけでも攻守双方の動きが読みやすくなります!

ラインアウトにおける反則以外のルールについては下記記事で一通りまとめてますので、まだ御覧になられていない場合には是非合わせて御覧ください。
ラグビーのラインアウトとは【ルールやリフト・戦術・投げ方解説】

ラグビーのラインアウトとは|反則別解説

クイックスローインの邪魔をする(ラインアウト開始前)

ボールがタッチラインから出たあと、ラインアウトが形成される前であればクイックスローインという形でゲームを素早く開始する事ができます。

しかしながら、このクイックスローインをさせないように邪魔をするとペナルティとなります。

例えばボールを持ったままタッチラインの外に出た時は相手ボールラインアウトとなりますが、相手チームはクイックスローインで始めたい場合もあります。
そんな時、ボールを離さず持っていると妨害行為とレフリーに判断されて反則判定(ペナルティ)されます。

ラインアウト時にスローイングの邪魔も反則

ラインアウト時にスローイングの邪魔をしても反則となり、ペナルティとなります。

基本的にラグビーではスポーツマンっぽくないプレーはだいたい反則と思えば大丈夫です(一部例外あり)。

ラインアウトを遅延させる反則

ボールがタッチラインから出た後、クイックスローを選択しない場合には両チームとも速やかにラインアウトを開始する必要があり、これに反して遅延させるとウエストオブタイムという反則となりフリーキックとなります。

ラグビーユニオンの競技規則には明確な時間は明記されていませんが、
「各チームは、遅延なくラインアウトを形成する」
と書かれています。

人数が多すぎる反則(ラインアウトのディフェンス)

ラインアウトでは人数をアタック側が決めます。
その際、ディフェンス側はアタック側が決めた人数よりも少ない人数でラインアウトに挑む事は許容されていますが、アタック側より多い人数でディフェンスするのは禁止です。

ディフェンスの人数が多い事が発覚した場合にはフリーキックとなります。

ノット1メートルとノット5メートルの反則

ラインアウトではノット1メートルとノット5メートルという反則があります。

ラインアウトに並ぶ両チームは1メートルの間隔を空けていなければなりませんが、これを破るとノット1メートルの反則となります。

 

一方、ノット5メートルはスロワーがボールを投げ入れた時に5mラインより外側(スロワー側)でボールをキャッチするとノット5メートルの反則となります。

ノット1メートルとノット5メートルの反則を取られた場合、両方ともフリーキックとなります。

ラインアウトにおけるノット1メートルとノット5メートルに関しては以下の記事にまとめていますので、是非合わせて御覧ください!

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ラインアウトで真っ直ぐ投げない反則

ラインアウトで真っ直ぐ投げない反則をノットストレートと言います。
ボールを真っ直ぐ投げているかどうかはラインアウトの外側にいるレフリーがジャッジします。

ラグビー,ラインアウト,スローイング

ノットストレートはラインアウトとスクラムの2場面あり、違いに関してはノットストレートとは【基準や許容範囲も|ラグビーのルール解説】 という記事で詳しく解説しています。

スロワーのボーク(フェイント)はダブルモーションの反則

野球でピッチャーが投げるフェイントをすると「ボーク」の反則を取られます。
これは投手が打者や走者に不利にならないよう制定されているルールですが、ラグビーのラインアウト時のスロワーにも同じような「ダブルモーション」という反則が存在しています

スロワーがラインアウトで投げるフリや、一度本当に投げようとしたものの投げるのを辞めたりするとダブルモーションの反則を取られてフリーキックとなります。

スロワーがサインを聞き逃してしまったり、サインとは全く違う想定外の動きをジャンパーがした場合など焦った結果、ダブルモーションが起こってしまう場合が多いです。

スロワーはラインアウトで線を超えてはいけない

スロワーはラインアウトでボールを投げ入れる際、線(タッチライン)を超えてはいけません一昔前は踏むのもNGでしたが、2019年ラグビーW杯では踏むのはOKになっていたようです。

踏んではいいけど、超えてはダメ
というのが現在のルールで、もしスロワーがラインアウトで線を超えた場合、相手ボールのスクラム or ラインアウトで試合が再開されます。
この時、相手はスクラムかラインアウトか、どちらか好きな方を選択できます。

ジャンパーが両腕を上げず片腕だけでキャッチ or パス

ジャンパーはラインアウトの空中では両腕を頭上に上げてプレーしなければなりません。

ラグビーユニオンの競技規則にはこのように記載されています↓

29.ラインアウトが開始したら、ラインアウトの中にいるいずれのプレーヤーも、以下のことをしてよい

bボールをキャッチする、または、そらす。ジャンパーは、両手を頭上に上げている場合に限り、外側の腕を使ってボールをキャッチする、または、そらすことができる。

ラグビーユニオン競技規則

 

その為、両腕を上げていない状態でだけでボールをキャッチしたり、パスする事は反則となり、フリーキックとなります。

ここで間違いやすいのは、片腕(外側の腕)だけでパス(そらす)をする事が反則という訳ではないことです。

両腕を頭上に上げている場合であれば、片腕でパスしてもOKです。
片腕しか頭上に上げていない場合に、片腕でのパスやキャッチは反則ということです。

ずっとリフトし続けるのは反則

女子ラグビーでもラインアウトのリフトは普通に行われている(rugby match of European Champioship between woman national teams Spain vs Scotland)

ラインアウトで一度リフトした後、ずっとリフトし続けるのは反則となります。
一度上げたら、最高到達点に達した後、リフトを下げなければなりません。

この反則を取られた場合フリーキックとなります。

Tips:プレイヤーの方であれば懐かしい人もいらっしゃるかもしれませんが、私の高校時代、リフトをした後に上げ続けて、しかも上げている状態のまま前後に移動するのがOKだった事がありました。途中から安全性を考慮されて禁止となった記憶があります。

ラインアウトでのオブストラクション(妨害)の反則

モールの場面(rugby match of European Championship between teams Spain vs Russia)

ラインアウトで相手選手を妨害するオブストラクションの反則はペナルティとなります。
具体的にどのような場面でオブストラクションがあるかというと、代表的な例がモール形成の時です。

アタック側がラインアウトでボールをキャッチした選手を起点にモールを作ろうとした際、リフトした選手がボールをキャッチした選手を相手選手のディフェンスから隠すようにしてモールを作ると、ディフェンスの妨害行為と判断されてオブストラクションの判定を取られます。

ラインアウトでの反則:オフサイド

ラインアウトでのオフサイドは全てペナルティとなります。
オフサイドに関してはラグビーユニオンが詳細を記載していましたので、こちらを御覧ください。

・ラインアウトプレーヤーは全員、ボールが投入され、プレーヤーか地面に触れるまでマークオブタッチの自チーム側にとどまっていれば、オンサイドである。

・ボールに向かってジャンプしたプレーヤーが、マークオブタッチを越えてボールをキャッチしなかった場合、ただちに自チーム側に戻らなければならない。

・ボールが投入され、プレーヤーか地面に触れるまで、ラインアウトプレーヤーのオフサイドラインは、マークオブタッチである。その後は、ボールを通る線になる。

・マークオブタッチでラック、または、モールが形成された場合、参加しているプレーヤーは、以下のいずれかを行うことができる
(1)ラック、または、モールに参加する。
(2)ラック、または、モールの中にいる味方の最後尾の足を通る線であるオフサイドラインまで後退する。

・ボールが投げ入れられたら、ラインアウトプレーヤーは15メートルラインを越えて移動してよい。ボールが15メートルラインを越えなかった場合、プレーヤーはすぐにラインアウトに戻らなければならない。

・ラインアウトに参加していないプレーヤーは、自チーム側のマークオブタッチから少なくとも10メートル離れて、または、ゴールラインの後方の方が近ければそちらにとどまっていなければならない。
プレーヤーがオンサイドになる前にボールが投げ入れられた場合、そのプレーヤーは、すぐにオンサイドの位置に後退すれば制裁の対象とはならない。
そのプレーヤーは、他のプレーヤーの行為によってオンサイドになることはできない。

・ラインアウトに参加していないプレーヤーは、味方のプレーヤーによってボールが投げ入れられたら移動してよい。
その場合、相手側も移動してよい。
ボールが15メートルラインを越えなかった場合、それらのプレーヤーは、すぐにそれぞれのオフサイドラインまで後退すれば制裁の対象とはならない。

Rugby Union競技規則より

 

かなり細かいです。

なのでまずはボールが投入されて、プレーヤーか地面に触れるまではマークオブタッチ(ラインアウトで両チームが並んでいる中心線)の自チーム側にいなければならないという事を覚えておきましょう。

モールを崩す反則(ラインアウト以外の場合もあり)

ゴール前ラインアウトではモールが組まれる事が多く、トライされそうになった場合に意図的にモールを崩す事があります。これはコラプシングと呼ばれる反則でペナルティとなります。

コラプシングは落ち方が悪いと怪我の可能性があることから、変な崩れ方をした場合などにレフリーは速やかに試合を中断させる場合があります。

ラインアウトでボールを投げる前にリフトすると反則

ラインアウトでボールを投げる前にリフトをするとアーリーサポートという反則を取られてフリーキックとなります。ボールを投げる前にグラウンドの中にいる選手が動くのは良いですが、飛ぶのはスロワーの手からボールが離れてからとなります。

ラインアウトではボール以外へのアクションは反則

ラインアウトではボール以外へのアクションは基本的に反則となります。
相手とどうしても接触してしまうのはもちろん許容されていますが、故意にぶつかったり、ボールをキャッチしようとしている相手の腕を叩いたり(掴んだり)などのアクション全てペナルティとなります。

例えば以下の画像で、緑チームのボールだとして、黒チームはディフェンスでボールを取りに行くのは良いですが、緑選手が取ろうとしている手や体全体に対して何らかのアクションをする事は反則です。

ラインアウトでリフト中の選手へのプレーは反則

前項と重複しますが、大事な事なので別項にしています。
ラインアウトでリフト中の選手へのプレーは反則で問答無用のペナルティです。

先ほどは故意にぶつかったり、ボールをキャッチしようとしている相手の腕を叩いたり(掴んだり)などのアクション全てペナルティと書きました。
しかしリフト中(飛んでいる)の選手を掴んで落とすようなプレーは極めて危険な為、悪質と判断された場合にはペナルティだけでなくシンビン(イエローカード:10分退場、レッドカード:一発退場)となる事があります。

スロワーはスローイング後、ラインアウト参加有無を選ぶ

スロワーはスローイングをした後、ラインアウトに参加するかしないかを選ぶ事が可能です。

基本的にはラインアウトへ参加するのが一般的な選択ですが、参加以外に
(1)ラインアウトに参加していない選手のラインまで下がる
(2)タッチラインの5メートル以内のゾーンに残る
(3)スクラムハーフを置いていない場合にはスクラムハーフの位置につく

という選択肢があります。

ちなみに個人的に上記(1)-(3)の中で経験があるのは(2)と(3)です。
(2)は相手ゴール前で意表を突くサインプレーをする場合に残ったりします。
(3)はアタックの幅を広げる為にスクラムハーフをバックスラインに入れ、ボールを投げたあと、ジャンパーに向かって走りボールを空中から受け取ったあとスタンドオフへ長距離パスをするという重大な任務を任されます

スロワーがこのような選択肢を持っているという事を知るだけでもラインアウトで見るポイントが増えるので、是非、この機会に覚えておいてください!

スロワーがこれら選択肢以外の行動を取ると反則となりフリーキックを取られてしまいます。

ラグビーのラインアウトルール|反則別解説まとめ

今回は「ラグビーのラインアウトルール|反則別解説」という事で反則をまとめてみました。
ある程度、ポイントを抑えるとなんとなく良い事・悪い事が分かってくるのがラグビーですので、是非、少しずつでも覚えて頂けると嬉しいです。

ここまで書いた反則の見出しをまとめると以下のようになります

【ラインアウトの反則】
・クイックスローインの邪魔をすること
・ラインアウト時にスローイングの邪魔をすること
・ラインアウトを遅延させること
・ラインアウトのディフェンスで人数が多すぎること
・ノット1メートルとノット5メートル
・ラインアウトで真っ直ぐ投げないこと
・スロワーがダブルモーションすること
・スロワーはラインアウトで線を超えること
・ジャンパーが両腕を上げず片腕だけでキャッチ or パスすること
・ずっとリフトし続けること
・ラインアウトでのオブストラクション(妨害)
・ラインアウトでのオフサイド前半
・モールを崩すこと
・ラインアウトでボールを投げる前にリフトすること
・ラインアウトでボール以外へアクションすること
・ラインアウトでリフト中の選手へプレーすること
・スロワーがスローイング後、規程以外の動きをすること

最後になりましたが、冒頭でもご紹介させて頂いたラインアウトの基本ルールに関してまだご覧になられていない方がいらっしゃれば、下記記事を合わせてご覧ください!

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