ラグビー観戦をしていて「フリーキックとは?」と思った人も多いと思います。
一見するとペナルティキックと同じような流れなので「今のダイレクトタッチでしょう!」と勘違いしてしまいますよね。
このページではそんなラグビーのフリーキックとはなにか、ペナルティキックとの違いも含めたルール解説をします。
フリーキックを知る事で「えーなんで今のタッチキックじゃないのよぉー!ちょっとぉー!!」と思う現象は非常に少なくなります。
是非、この記事でフリーキックの理解を深めてください!
ラグビーのフリーキックとは【ペナルティキックとの違い|ルール】
ラグビーのフリーキックのルール
ラグビーのフリーキックは英語表記でFree Kickですが、結構意味そのままだったりします。
フリーキックを与えられる場合に、レフリーはこんなジェスチャーをします↓
フリーキックとなった場合、試合は一旦止まります。
この時、フリーキックを与えられたチームには以下のような選択肢があります。
(1)レフリーが指定した場所でボール軽く上に蹴って(=タップキックと言います)、速やかにその場から試合を再開する(ペナルティでも同じ選択肢があります)
(2)その場でスクラムを選択して試合を仕切り直す(ペナルティでも同じ選択肢があります)
(3)その場からタッチキックで蹴り出して陣地を前に進める(後述しますがペナルティと違って相手ボールとなります)
(4)ラインアウト中の相手の反則でフリーキックを得た場合には再度ラインアウトを選択することも可能(ラインアウトを選択しない場合には15mラインの場所から再開できる)
このようにラグビーのフリーキックでは、サッカーと違って複数の選択肢があるため、ルールを知らないとペナルティキックとの違いが分からない場合が多いです。
フリーキックとペナルティキックの違いを試合中に知る一番有効な方法はレフリーのジェスチャー(腕の角度)を見ることです。
先ほど画像を載せた通り、フリーキックの場合には腕の角度が90度になります。
一方でペナルティの場合には斜め45度で腕をピンと伸ばします。
こんな感じです↓
(画像がアメフトのレフリーというのは気にしないでください。ポーズは同じです)
フリーキック判定となる反則|ラグビーのルール
ラグビーでフリーキックとなる主な反則は以下の場合です。
フリーキック条件1:アーリーエンゲージ
フォワードがスクラムを組むタイミングでレフリーの掛け声に合わせずスクラムを組み始めた場合にはアーリーエンゲージという反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
これは代表クラスでもたまに見かける反則で、スクラムの組み始め(ヒットと呼びます)がスクラムの優劣を大きく左右するため、心理的な攻防含めてついレフリーの合図よりも先にヒットしてしまいます。
フリーキック条件2:オーバータイム
スクラムを組み始めた後にスクラムハーフ(背番号9番)がボールを入れるべきであるにも関わらず、ボールを入れない場合にオーバータイムの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
これはスクラムハーフから見て、自分のチームがスクラムを組んだ瞬間、劣勢になっている場合に味方がスクラムを立て直すのを待ったりする事で起こります。
フリーキック条件3:ノットストレート
スクラムを組み始めてやっとスクラムハーフがボール入れても、ボールをまっすぐ入れないとノットストレートの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
フリーキック条件4:ノット1メーター
ラインアウトで1mの幅を確保しなかった場合にノット1メーターの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
ラインアウトでは両チームが間隔を開けて立たなければなりません。
相手ボールのラインアウトの場合、自分が近ければ近いほどボールを奪いに行きやすくなるからです。
フリーキック条件5:ノット5メーター
ラインアウトでボールをキャッチした場所が5mラインよりも外(ボールを投げたスロワー側)になっているとノット5メーターの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
少しでも前でキャッチする事で相手にボールを取られにくくなるため、ついつい5mの領域に入ってしまいます。ただ、代表クラスだとなかなか見かけない反則ですね。
フリーキック条件6:アーリープッシュ
スクラムでボールが入る前に押してしまうと、アーリープッシュの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
スクラムはボールが入ってからでないと押してはいけないというルールがあります。
マイボール側はボールを取られたくないですし、相手としてはボールを取りたいため、ボールが入るギリギリのタイミングを狙ったり、スクラムを組んだ瞬間に一瞬押したり、様々な攻防の末にアーリープッシュの判定がされます。
フリーキック条件7:フットアップ
かなり細かいルールなのですが、スクラムを組んだ後、ボールが入ってくるまでの相手にフッカー(背番号2番)は片足を上げてはいけません。
スクラムでハーフが入れたボールはフッカーが片足を上げて後ろに蹴り込むのですが、ボールが入る前に足を上げているとフットアップの反則を取られて相手ボールのフリーキックになります。
フッカーでのスクラムにまだ慣れていない若きフッカーにありがちな反則です(経験談)。
フリーキック条件8:マーク(フェアキャッチ)
相手が自陣22mよりもトライゾーン側に蹴ってきたボールをノーバウンドで「マーク!」とレフリーに聞こえる声で叫びながらキャッチするとフリーキックになります。
代表クラスでもたまに見る光景だと思います。
大事なのはレフリーに聞こえる事で、もしマークと言ってもレフリーに聞こえないとフェアキャッチ判定をしてもらえない場合があります。
フリーキックとは|ペナルティキックの違い
フリーキックとは何かという事について説明させて頂きましたが、ここからは簡潔にペナルティキックとの違いで最も大事な部分を説明致します。
フリーキックはダイレクトタッチになる
もう、完全にこれです。
基本的にこれを覚えておけばまずOKという感じで重要なのがフリーキックはダイレクトタッチになるという事です。
ペナルティをもらってタッチキックにボールを出した場合は、どこから蹴っても出ればマイボールとなります。しかしフリーキックは試合中の流れでボールを蹴るのと同じ扱いになります。
従って、自陣22mラインより前のフリーキックでタッチに蹴り出してノーバウンドで外に出た場合、ダイレクトタッチになり、蹴った位置で相手ボールラインアウトで試合が再開されます。
ダイレクトタッチで良いことは1つもないため、フリーキックではダイレクトタッチにならないようワンバウンド以上になるように蹴ったりします。
ラグビーのフリーキックとは|まとめ
とりあえず先ほどの繰り返しになりますがフリーキックはダイレクトタッチになるという事だけはとにかく覚えておきましょう。
また、フリーキックになる反則はいくつもあって分かり辛いですがレフリーの笛がなって試合が止まった瞬間にレフリーの腕の角度を見て90度に曲がっていればフリーキックということも覚えておくといいです。
ノーサイドTVではラグビーをやる人/見る人/応戦する人全ての方々の役に立てるよう今後も情報を発信して参ります。引き続き宜しくお願い致します。